ACRAFTの業務に関係ない時もあるBLOG

手持ちの文庫本で、読みかけで放っていた作品が溜まってきたので、まとめて発掘してラストまで読みました。

「機械たちの時間」神林長平
　久しぶりに読む長編ハードボイルドSF。読み応えがありました。
　火星の機械知性体であるマグザックにとって時間の流れは、人類にとって過去へ遡る方向に進み、その時代時代のコンピューターシステムへ寄生して生き延びる。　その進化の行く先は・・・ノイマンの脳みその中で構想されるコンピューター。そこでマグザックの時間は止まった。　このオチは、神林長平だなぁ、と。　火星モノと言うことで、どこかで同氏の火星三部作に関係するところが出るかと思ってたんですが、全く無関係の舞台のようで。　次は「膚の下」を読みたいのですが、文庫になるのはいつなのか・・・

「アフターダーク」村上春?lt;br />　冒頭、およびラストのTVの世界に引きずり込まれた娘についての描写が、現実世界での出来事とリンクしていない中途半端さにがっかり。　中国人売春婦とそれを取り巻く渋谷の夜の物語だけでまとめてもらった方が、シンプルで良かったような気も。
　最近、個人的に村上春樹フェアを実施している（笑）ので、次はスプートニクの恋人を読む予定。購入済み。

「パプリカ」筒井康隆
　筒井康隆の小説は、当たりはずれが大きくて、生理的には受け付けないグロい作品を幾つか読んだ経験から、最近はトンとご無沙汰でした（昨年、時をかける少女を読み直しましたけど）が、パプリカは当たり作品でした。　原作を読んだ今、もう一回劇場作品のパプリカを見に行きたい気分です。