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2007/06/14(Thu)

ザ・シューター 極大射程

公式サイトこち?lt;/a>

 スティーブン・ハンター原作の映画化。
原作はもちろん読んでまして、その骨太の描写とミリタリー色の強さから、お気に入りの一冊になっていました。

 そう言う小説の映画化というのは嬉しい反面、イメージを壊される怖い事も有るのですが、さて本作はどうなのか。

 結果、割と良い方向に映画化されていました。及第点です。(何をえらそうに)


 舞台は今風に(と言うか、9.11以降のアメリカをベースに)アレンジし直されていて、それに違和感有りませんでした。流石にもうベトナム帰還兵というネタはハリウッドとしては厳しいのでしょうかね。 (ランボー4が待ってますけど)


 残念だったのはスワガーのキャラ立ちがイマイチだったこと。原作よりも一般人になっていてガッカリでしたが、彼は単純なキリングマシンではなく、ハリウッドの映画キャラとして成立する愛される?キャラになってしまいました。

 ダニー・グローバー演じるジョンソン大佐も、その親玉の下院議員も、頭が悪そうでガッカリ。もうちょっとクレバーな雰囲気が欲しかった。

 なんか、ガッカリイマイチばっかり言ってますが、ピカイチだったのはFBIのメンフィス!彼だけは良い味が出てました。新人なんだけど、自分としてはFBI職員だというエリートとしての自負もあって、でもスーパーマンではあり得ないのに巻き込まれて困っちゃうというあたりの描写が好印象。トラブル巻き込まれ役は、どこの映画にも必要ですね。


 個人的に最も残念だったのは、撃針を細工していたオチをばらすところ。原作だと ”うわぁ、そうだったのか!!” と強引に納得させられた場面なのですが、映像だとあれが精一杯なのか、日本語字幕も翻訳で妥協していたし。銃の構造を知る人でないと納得できるオチではなかったので、映画脚本としてはそこに拘りすぎると話の展開がなめらかに行かないと判断したのかも知れませんが。

 その代わり、個人的な復讐心だけから惨殺を決行するスワガーの山小屋での闘いはしっかり映像化してくれてました。普通の映画なら倫理上の問題から、この部分はカットされるか、スワガーが復讐をするのが当たり前だという心理描写を丁寧に描いて場面を繋げるのでしょうけど、そう言う説明なしに、サクッとやってくれています。しかも、映画もそれで終わり。

 おかげで、見終わったあと妙な脱力感がありました。有る意味、勇気のあるエンディングでした。

 原作の思いが強かったせいで、なんか批判めいたことばかり書きましたが、十二分に面白かったですよ。

 続編のブラックライトの映画化にも期待してます。

by Canno | 2007/06/14 23:59:58 | 映画見ました | comment(0) | trackback(0)
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